エール「ヨミグスリ」

乳がん最新情報Part6

乳がん手術の後に乳房を再建できますか? どのような手術ですか? 費用はどのくらいかかりますか?

答えてくれた先生うえお乳腺外科:上尾 裕昭 先生

 乳がん手術により乳房を失ってしまうことは女性にとって大きな痛手です。この乳房喪失感を軽減するための乳房再建は以前から行われていましたが、2013 年に人工乳房(シリコンバッグ)を用いた乳房再建が保険収載となったことを契機に増加しています。

「根治性」と「整容性」

 普は乳がんが見つかったら全例で乳房切除が行われていましたが、1990 年代から乳房部分切除術が普及し、約70%の患者さんは乳房を温存することが出来るようになりました。私達、乳腺外科医は乳がんをキチンと取り除きたいという「根治性」と、乳房の外観を保ちたいという「整容性」のバランスの狭間で、一人ひとりの手術法を決めています。
しかし、病変が広い場合は乳房切除を余儀なくされ、乳房再建の出番となります。当院でも乳がんの悪性度とご本人の希望に応じて12年前から乳房再建に取り組んで来ました。

乳房再建はどんな手術ですか?

乳がん手術で失われる乳房を蘇らせる手術です。
乳房の膨らみを作る材料により「自家組織(自分の身体の一部)」「人工乳房(インプラント)」を用いる2 つの方法があります。
私が初めて乳房再建に取り組んだのは昭和62年(1987 年)、22歳の乳がん女性に遭遇したことが契機でした。この時は形成外科医の酒井成身先生(現在、国際福祉大学教授)に自家組織による再建をしていただきました。
現在は大分市の早川宏司先生(白山クリニック)に人工乳房を用いた再建をお願いしています。早川先生との連携は12年目を迎え、これまで100 名以上の大分県の患者さんが乳房再建を受けています。

乳房再建のタイミングは?

乳がんの切除と同時に行う「一次再建」と、術後の治療が完了してから行う「二次再建」に分かれます。手術後の抗がん剤や放射線治療の必要性がある場合は二次再建が望ましいと考えています。当院では転移の可能性の低い 非浸潤癌を対象に「皮下乳腺全摘+組織拡張バッグ留置」の一次再建を行っています。

乳房再建の費用は?

以前は自費診療で高額な費用(約100 万円)が必要でしたが、現在は保険適用となり高額医療の手続きをすれば月に8〜9万円の自己負担で乳房再建を受りることが出来るようになりました。
乳房再建が社会的に認知される時代が到来したことを嬉しく感じていますが、乳がんをキチンと治すことが最優先ですし、再建手術には多少の合併症のリスクも伴いますので、主治医と充分に相談することをお勧めします。

うえお乳腺外科

住所
〒870-0854 大分市羽屋188-2
電話番号
097-514-0025
診療時間
※ホームページをご覧下さい。
ホームページ